びぼうろく

人を殺す

吉田修一の『悪人』の主人公のことがどうしても分からない。主人公を好きになる女性の気持ちは分かるけれども、人を殺してしまうこと、殺してしまった自分を受け入れていることって分からない。連想して市橋容疑者のことを考える。男女とも性的対象となる人…

詩について考える2

日本人にとって、海は詩にならない気がする。なぜなら海は、渡来人がやってくる、外から何かがくるところだから。具体的に来る「何か」じゃなくて、もっと朧げなものにしか詩情はない。もっといえば、八百万の神様を信仰する日本人にとって、海は信仰の対象…

詩について考える

ここ最近、ずっと詩について考えている。女性は詩を書けないんじゃないかと思う。なぜかというと食べてしまうから。って唐突やけれども、生の生々しさは詩情に結びつかない。否定的な意味ではなく、女性は詩なんて考える必要はなくて、生命を次世代に残す、…

ホラーと江國香織小説

物語の基本はホラーだと三島由紀夫が言ったらしい。江國香織の短編小説は正にホラーで、だから本当に基本なのやろうと思う。ホラーってお能の世界とすごく通じる。江國さんの「草之丞の話」は新作能になればいいのにな。

自然への敬意、工学のこと

東日本大震災以降、自分が工学系の大学出身だということを意識する機会が多い。地震で崩れた「日本の安全神話」はじめ、地震について知る時の知識がほとんど理系分野のものだと思われているからやと思う。世の中一般的には文系理系の二種類に分けられるので…

食事と仏事

先日、尊敬する料理人が食事する姿を見て感動した。食べる姿が美しい。長い腕を伸ばしてお箸で料理をつまんで、口に入れて咀嚼する。その一連の動作に無駄がなく、箸で切るのは一口分、口に入れれば表情穏やか、冷たいものは冷たいうちに、温かいものは温か…

何かを続ける

思えば先月は昔のことをたくさん振り返っていた。自分のブログを読み返したり。以前のことを振り返ってみると今の自分のことが分かるし、断続的にではあっても記録になってるとは思う。でも、答えはやっぱり未来にしかない。何かをずっと続けている人はすご…

通りすがりのおじいさま

通りすがりの人に親切にされると嬉しい。今日は、通りすがりのおじいさんが私に傘をさしかけてくれてはった。店番のアルバイトの合間、街路樹の根元に水を捨ててた時。たった数秒間しゃがんでただけやのに、ふと見上げたら傘をさしてくださったおじいさま。…

誕生日

誕生日って好き。自分のも人のを祝うのも。 何も良いことをしていなくても「おめでとう」って言われる日。長く連絡をとっていない人でも、なんの脈絡もなく「元気かな」って思い出す日。親に心から感謝したり、誰かのことを思いやったり、なんだか幸せな日。…

キャラクター

めっちゃ好きなキャラクター アンパンマン(ほか、やなせたかしさんが描いたもの)、キティちゃん、ペコちゃん。 どれも見たらめっちゃテンション上がってワーってなる。でも、例えばキャラクターグッズを持ったりできるかなぁ。照れるよなぁ。小物とか、う…

NHK朝の連ドラ

数年前、NHKの朝の連ドラを毎日見るような人になりたいと思っていた。その頃は朝8時に起きていることなんてほとんどなかったし、毎日不規則だったので「NHKの連ドラを見る=ちゃんと生活をする人」のイメージ。毎日同じ時刻に起きて家事やいろんな活動をす…

口癖

20代のある一時期、私の口癖は「打ちのめされる」やったらしい。芸術作品に感動した時とか、工業製品など技術のすごさ、人間の知恵の深さやすごさを感じた時、または自分の無力さにどうしていいか分からなくなった時に使っていた記憶がある。それにしても打…

アイドル2

昭和のアイドルってすごいとHさんに話したら「ジュリー(=沢田研二)の若い頃はすごいよ」と熱弁された。マイケルジャクソンを超えるくらいのアイドルっぷりやったみたい。ジュリー自身が素晴らしいエンターテイナーであり、プロ集団の力も結集。。。昭和っ…

アイドル

田中好子さんが亡くなって、生前のいろんな映像を見た。びっくりするくらいきれいで可愛い。昭和のアイドルはみんなどうしよう!!!?っていうくらい可愛い。今は、みんなが夢中になるようなアイドル性のある人っていないんちゃうか。初音ミクとかなんやろ…

小学校とトイレ

小学校の最初の頃にトイレの行き方の授業があったことをよく覚えている。田中先生について、みんなでゾロゾロとトイレに行った。うんちをしたら拭きましょう。気持ち悪かったら2回拭いて、まだ気持ち悪かったら3回拭きましょう、、、というたったそれだけ…

関西の強さ、方言のこと

方言はいいなと思う。最近、関西のAMラジオで「ややこしい」の使い方についてリスナーの声を募集していた。そうそう、私も関西人なので「ややこしい」はなじみのある言葉。変なことを言っている、理解できない、難しいことを言っている、考えるのが面倒、ま…

日常の哲学者

原武さんの文章の中に「日常の哲学者」という言葉があった。アカデミックな世界にいる人間には決して言えない、生き様のこもった言葉への賞賛、みたいな感じやったと思う。それを哲学と言い表していることにちょっとハッとする。私の中にも父の名言や母の名…

働く

さよならだけが人生だ、と訳した井伏鱒二。やなせたかしさんが共感して書いていた言葉が心に残っている。「仕事をしていれば気が紛れる」なんとなくすごくよく分かる日々。

東京と関西

地震で、また東京と関西の違いを考えてしまった。思い出すのは、年末にミナミで感じた徹底的に現実的な感じ。自分が気持ち良くないとしょーもないやーん!!という徹底した姿勢。おいしいん?得なん?一番いい?私、可愛いやんね、以上!みたいな本能的なノ…

おばあちゃん

濱田美里さんがNHKの番組に出ていた。おばあちゃんの田舎料理を突撃取材。ねぎみそか何か、すごくおいしそうなものを作っていた。ああいう料理は、土の匂いとか生活の空気と一緒じゃないとおいしくないんやろうと思う。女性はそういう世界を持っている。酒井…

古本と古美術

考えてみれば、20歳ごろから周りにいつも古本好きな人がいた。昔は表紙がすり切れて茶色い紙が破けていて、旧かなづかいで読めない本のどこがいいのかと思ってた。でも、そういう人が周りにいて良かった。書かれた時代の背景に知識を持って、書いた人、印刷…

東京の地下鉄

上京したばっかりの頃、地下鉄の乗り換えをしながらしょっちゅう心の中で毒づいてた。地下鉄は嫌いやった。地下鉄=地面の下という固定観念があるのに、乗り換えで階段を上がったり下りたり。だんだん感覚が狂って、よく分からなくなる。なんで地下鉄の乗り…

結婚式

しばらく会えていなかった友達から、結婚するというメールをもらった。結婚式にぜひ、とのことでとても嬉しい。女友達はみんな、会いたいと思ってもなかなか会えない。独身、既婚、子育て中(一人目、二人目、三人目)などそれぞれ生活スタイルがあまりに違…

指の動き

カメラマンの友人Cちゃんは、指先の動きがすごく美しい人。手先がきれい。見ていると、普段の生活の中で指を五本ともたくさん使っている気がする。ちょっと袋とか紙を折る時に、引き寄せたり、指に力を込めて押さえたり。ナイフとフォークを使う時にも、お皿…

リアル体験とバーチャル体験

美を感じるためには、実際体験が必要・・・と前に書いたけれど、バーチャル体験はどうなんやろう。技術の力で、リアル世界と同じくらい生々しい3次元を体験できる現代。バーチャルな体験は、美を感じる感覚につながるんやろうか。っていうか、2次元でも3…

女性の髪

女のくせに髪の毛にあまり構っていない私、、、と思ってたけど、やっぱり髪に執着はあるんやなぁと思った。美容院で前髪を切って、なんとなく喪失感でショックを受けたり。最近は、初めて白髪を発見。櫛にからまった一本の髪が半分白かった。肝が冷えるとい…

宇多田ヒカルと同世代を考える

NHKで宇多田ヒカルの特別番組を見る。「自分で自分の面倒をみられるようになりたい」という彼女の言葉が心に残る。彼女が気持ちを固めた頃のブログにも書いていた言葉。普通の人ができる普通のことをできるようになるための”人間宣言”。彼女の言動って、昔の…

春の言葉

私が育った奈良では、お水取りが終わると春が来ると言ってた。お水取りは、季節に由来した神事じゃないけれども(例えばお田植えとか収穫祭とか)、肌感覚としてお水取りの前後に季節が変わるのは本当。先日、石川県では桜色の鯛があがれば春がくると聞いた…

実際経験がなければ美が分からない

竹の絵をたくさん見る機会に恵まれた。水墨画の主題として、中国でも日本でも、数多くの竹が描かれている。たくさん見れば見るほど、竹はなんて美しいのだろうと思うようになった。一本の竹、竹林、梅やいろいろなものと組み合わせた竹、どれもかっこいい。…

音楽を考える

年末に中島みゆきの「地上の星」を大音量で流している街宣車に何度か出会った。ニュースにもなったらしい播磨屋のトレーラー。周りの音が何も聞こえないような大音量で、ちょっとただならない感じやった。思想、表現方法、いろいろ疑問はあるけれども、それ…