2011-01-01から1年間の記事一覧

詩について考える3

江國香織さんの文章が詩情にあふれていることに、今さらいちいち感動する。 『落下する夕方』の中の「清潔は孤独。」という一文。小説なので、清潔をさすのがベッドのシーツであり、彼がいなくなったことを主人公が寝床で実感する文脈を読み進めなければ意味…

買い物

買い物をしていて、店員さんと心が通じ合う気がする瞬間がある。そんなのたぶんこちらの勝手な思い込みやけど、商品についてひとこと深い会話をすると、客として大事にされている気がしてとても嬉しい。最近心に残った買い物は、鈴屋の甘納豆、芳翠園のお茶…

人はこわいもので

人は、自分ができていないこと、コンプレックスを持っていることを何度も口にする。それなのに、聞いている方は、その人はそれができているから言っていると思ってしまう。

シンプルイズビューティフル

つとめ先の店でひいきにしてる和菓子屋が2軒ある。1つは老舗。1つは流行最先端のデザイン会社がチャレンジでやっている店。どちらも小さなおまんじゅうを売っていて、それぞれ良さがあるけれど、私は最近老舗のまんじゅうが断然いいと思うようになった。…

プロフェッショナルへの敬意

あらゆる分野のプロフェッショナルに対して、適切なタイミングで的確な言葉で敬意を表せる人になりたい。それが少しでもずれていたら、プロは何よりもかなしいだろうと思う。それに、私への不信感と、もしかすると軽蔑をうける。最近ずっとそういうことを考…

刺激多い東京

自分の手帳を見て笑ってしまった。なんと刺激の多い毎日。そんなことはまったく望んでいないけれども、よくもまぁこれだけいろいろ楽しくてジャンルの違う予定を入れたもんやなぁ。っていう9月が終わった。今年は残り三ヶ月。

仕事って何か

私の好きな喫茶店と自転車屋さんに続けて行く用事があった。帰り道、仕事ってなんやろうとふと考える。喫茶店と自転車屋さんはどちらも東京の静かな場所でご夫婦でやっている店。真面目さが伝わってくるとても居心地の良い店。店では、何年も何年も二人でや…

アジアのパワー

アジアの屋台料理なんて、別にそんなにおいしいわけではない。味のことだけ言えば、日本で食べる、アジア屋台風の居酒屋メニューの方がよっぽどおいしいと思う。でも、味の問題じゃない。アジアの街中で、あのお行儀の悪い座り方で長々とおしゃべりしながら…

人を殺す

吉田修一の『悪人』の主人公のことがどうしても分からない。主人公を好きになる女性の気持ちは分かるけれども、人を殺してしまうこと、殺してしまった自分を受け入れていることって分からない。連想して市橋容疑者のことを考える。男女とも性的対象となる人…

詩について考える2

日本人にとって、海は詩にならない気がする。なぜなら海は、渡来人がやってくる、外から何かがくるところだから。具体的に来る「何か」じゃなくて、もっと朧げなものにしか詩情はない。もっといえば、八百万の神様を信仰する日本人にとって、海は信仰の対象…

詩について考える

ここ最近、ずっと詩について考えている。女性は詩を書けないんじゃないかと思う。なぜかというと食べてしまうから。って唐突やけれども、生の生々しさは詩情に結びつかない。否定的な意味ではなく、女性は詩なんて考える必要はなくて、生命を次世代に残す、…

ホラーと江國香織小説

物語の基本はホラーだと三島由紀夫が言ったらしい。江國香織の短編小説は正にホラーで、だから本当に基本なのやろうと思う。ホラーってお能の世界とすごく通じる。江國さんの「草之丞の話」は新作能になればいいのにな。

自然への敬意、工学のこと

東日本大震災以降、自分が工学系の大学出身だということを意識する機会が多い。地震で崩れた「日本の安全神話」はじめ、地震について知る時の知識がほとんど理系分野のものだと思われているからやと思う。世の中一般的には文系理系の二種類に分けられるので…

草間彌生さんとピュア

art

ワタリウムの草間彌生展に行く。昔の映像を見ながら、ピュアってこういうことかと思う。草間さんはパーティの中心、パフォーマンスの中心にいて、カメラに映っていることを明らかに意識しているのに媚びた感じが一切ない。美は狂気と紙一重かもしれないけれ…

石田衣良『眠れる真珠』

石田衣良眠れぬ真珠 (新潮文庫)のラスト、主人公が真珠を買うシーンが強烈に心に残る。色形ともに的確に自分に似合う真珠を選び出す女性主人公。選ぶ真珠の色彩と諦観と、大人びたさばけた感じが格好いい。真珠は、女性版画家の主人公にとって大切な買い物や…

食事と仏事

先日、尊敬する料理人が食事する姿を見て感動した。食べる姿が美しい。長い腕を伸ばしてお箸で料理をつまんで、口に入れて咀嚼する。その一連の動作に無駄がなく、箸で切るのは一口分、口に入れれば表情穏やか、冷たいものは冷たいうちに、温かいものは温か…

何かを続ける

思えば先月は昔のことをたくさん振り返っていた。自分のブログを読み返したり。以前のことを振り返ってみると今の自分のことが分かるし、断続的にではあっても記録になってるとは思う。でも、答えはやっぱり未来にしかない。何かをずっと続けている人はすご…

通りすがりのおじいさま

通りすがりの人に親切にされると嬉しい。今日は、通りすがりのおじいさんが私に傘をさしかけてくれてはった。店番のアルバイトの合間、街路樹の根元に水を捨ててた時。たった数秒間しゃがんでただけやのに、ふと見上げたら傘をさしてくださったおじいさま。…

誕生日

誕生日って好き。自分のも人のを祝うのも。 何も良いことをしていなくても「おめでとう」って言われる日。長く連絡をとっていない人でも、なんの脈絡もなく「元気かな」って思い出す日。親に心から感謝したり、誰かのことを思いやったり、なんだか幸せな日。…

キャラクター

めっちゃ好きなキャラクター アンパンマン(ほか、やなせたかしさんが描いたもの)、キティちゃん、ペコちゃん。 どれも見たらめっちゃテンション上がってワーってなる。でも、例えばキャラクターグッズを持ったりできるかなぁ。照れるよなぁ。小物とか、う…

NHK朝の連ドラ

数年前、NHKの朝の連ドラを毎日見るような人になりたいと思っていた。その頃は朝8時に起きていることなんてほとんどなかったし、毎日不規則だったので「NHKの連ドラを見る=ちゃんと生活をする人」のイメージ。毎日同じ時刻に起きて家事やいろんな活動をす…

口癖

20代のある一時期、私の口癖は「打ちのめされる」やったらしい。芸術作品に感動した時とか、工業製品など技術のすごさ、人間の知恵の深さやすごさを感じた時、または自分の無力さにどうしていいか分からなくなった時に使っていた記憶がある。それにしても打…

アイドル2

昭和のアイドルってすごいとHさんに話したら「ジュリー(=沢田研二)の若い頃はすごいよ」と熱弁された。マイケルジャクソンを超えるくらいのアイドルっぷりやったみたい。ジュリー自身が素晴らしいエンターテイナーであり、プロ集団の力も結集。。。昭和っ…

アイドル

田中好子さんが亡くなって、生前のいろんな映像を見た。びっくりするくらいきれいで可愛い。昭和のアイドルはみんなどうしよう!!!?っていうくらい可愛い。今は、みんなが夢中になるようなアイドル性のある人っていないんちゃうか。初音ミクとかなんやろ…

小学校とトイレ

小学校の最初の頃にトイレの行き方の授業があったことをよく覚えている。田中先生について、みんなでゾロゾロとトイレに行った。うんちをしたら拭きましょう。気持ち悪かったら2回拭いて、まだ気持ち悪かったら3回拭きましょう、、、というたったそれだけ…

関西の強さ、方言のこと

方言はいいなと思う。最近、関西のAMラジオで「ややこしい」の使い方についてリスナーの声を募集していた。そうそう、私も関西人なので「ややこしい」はなじみのある言葉。変なことを言っている、理解できない、難しいことを言っている、考えるのが面倒、ま…

日常の哲学者

原武さんの文章の中に「日常の哲学者」という言葉があった。アカデミックな世界にいる人間には決して言えない、生き様のこもった言葉への賞賛、みたいな感じやったと思う。それを哲学と言い表していることにちょっとハッとする。私の中にも父の名言や母の名…

働く

さよならだけが人生だ、と訳した井伏鱒二。やなせたかしさんが共感して書いていた言葉が心に残っている。「仕事をしていれば気が紛れる」なんとなくすごくよく分かる日々。

東京と関西

地震で、また東京と関西の違いを考えてしまった。思い出すのは、年末にミナミで感じた徹底的に現実的な感じ。自分が気持ち良くないとしょーもないやーん!!という徹底した姿勢。おいしいん?得なん?一番いい?私、可愛いやんね、以上!みたいな本能的なノ…

おばあちゃん

濱田美里さんがNHKの番組に出ていた。おばあちゃんの田舎料理を突撃取材。ねぎみそか何か、すごくおいしそうなものを作っていた。ああいう料理は、土の匂いとか生活の空気と一緒じゃないとおいしくないんやろうと思う。女性はそういう世界を持っている。酒井…