シンプルイズビューティフル

つとめ先の店でひいきにしてる和菓子屋が2軒ある。1つは老舗。1つは流行最先端のデザイン会社がチャレンジでやっている店。どちらも小さなおまんじゅうを売っていて、それぞれ良さがあるけれど、私は最近老舗のまんじゅうが断然いいと思うようになった。食べ比べてみると一番の違いはシンプルさ。老舗の餡子は、お砂糖とあずきだけで作られているに違いない感じ。あずきの風味がしっかりしている気がする。一方で、流行の店の餡子は、洋風の香辛料とか、バター系の脂とか隠し味とか、いろいろかけあわされているような感じ。とても凝っているし、おいしいようだけれど、私はお茶にもコーヒーにも合わないと思っている。

そもそもは、2つの店のおまんじゅうの賞味期限が全然違っているのが不思議やった。賞味期限にうるさいこの世の中、老舗のおまんじゅうが常温で1週間ももつっていうのがよく分からなかった。

食べ比べて思ったのはシンプルさの強み。複雑にかけあわて作ったものは、腐る。なんて、厳密なことは分からないけれども、直感的には、まじりっけなしのシンプルなものは、要するに長くもつんちゃうかと思った。

料理に疎いので分からないけれども、和食はシンプルさの延長にあるように思う。要するに素材の味、素材の生かし方を追求したものが和食なんちゃうかな。一方で食材や香辛料を組み合わせ、掛け合わせてソースに練り上げるのがフランス料理に代表される洋食という気がする。特にお菓子はグラム単位で正確に計量して作る。本当に繊細なバランスで作り上げていることと思う。