詩について考える2

日本人にとって、海は詩にならない気がする。なぜなら海は、渡来人がやってくる、外から何かがくるところだから。

具体的に来る「何か」じゃなくて、もっと朧げなものにしか詩情はない。

もっといえば、八百万の神様を信仰する日本人にとって、海は信仰の対象にならない。それはやっぱり「海の向こうの人」を感じているからちゃうかな。

そういうことを大量の古美術系の展覧会図録を見ながら考える。日本の歴史の中で、海を対象にした名作はない。もしそれがあるとすれば、この50年くらい、近代の価値観で生まれたものやと思う。