現代アートが好き

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現代アートが好き。少しおぞましい部分も含めて、エネルギーのある作品が好き。絵や写真、彫刻、空間全体の前に立った時に圧倒されるなにものかが好き。現代アートと美術の違いをよく質問されるけど、そんなことは私には分からない。美術の価値、文化の価値…

男はつらいよ 寅次郎物語

男はつらいよ第39作、寅次郎物語。紀伊半島が舞台。金峯山寺のシーンで、若き日の田中利典総長が出ているというので見る。寅さん初見、めっちゃいい映画やった。映る吉野川や仁王門を見て嬉しくなる。最初のシーンにいきなり涙。どこから、なぜ、誰のつなが…

お坊さんのこと

お坊さんは公職なのだと思う。言葉、行動すべてが人に見られている。葬式仏教とか、戒名で稼いでナントカと悪くいうけど、そんなの、ある一定の年齢層の人たちが作り上げたイメージにすぎない。同世代のお坊さんたちが、生きることに正直に向かっている姿を…

組織のこと

役所関係の人が言う「トップダウン」に違和感を感じる。もちろん、企業なら、組織としてトップの決めたことを実現する動きは必要。トップは、トラブル解決とか、負の出来事を引き受ける責任を持った上で決断をする。決断するために、日々情報や人脈やカンや…

奈良の色

奈良と東京の大きな違いは、色。東京で好んで着ていた服が、ことごとく似合わない。毒々しいきつさがあるように感じてしまう。同じ国とは思えないくらい、何か空気の色が違うみたい。奈良は万葉の色のまま、文化がとどまっている。

小さい時の思い出

いろんなことを思い出す。小さい時の失敗の数々。そのほとんどは小学校の体育の時間のこと。跳び箱を飛べずに、一番上の箱にドシンと腰が落ちた瞬間とか、逆上がりができなかったこととか、もっと小さい時、エスカレーターの足元がふわーっと動くのが恐怖で…

果てしなく美しい日本 (講談社学術文庫) ドナルド・キーン著

日本人の差別感覚を見事に言い表していてびっくりした。日本の国のなりたち、都市と地方、階級意識、いろんなものを的確に書き表し、文章は島国根性に集約されていく。端的に言い表した文章を読んで、人間ってかなしいものやなと思った。社会は差別を含めて…

ドナルド・キーン展

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北区飛鳥山博物館にて。たくさん仕事をした人のことを考える時は、いつ誰と会っていたか、それに尽きる。と、師匠の言葉に納得。三島由紀夫、川端康成、いろんな人の影響を目の当たりにして、時代感覚が分かってくる。師匠とお散歩しながら里見八犬伝の話を…

感覚が開く

感覚が開いている/閉じているという。感覚が開いている方が良い、というのが一般的な見方らしい。そんなこと言われてもねー、と思う。東京では、感覚を無防備に開きっぱなしでいたら生きていけない。田舎者の私が上京して、最初の数年間に一番努力したのは…

美しさを考える1

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文章、小説、絵、彫刻、音楽、映像、建築、自然、科学、人、あらゆるところに美しさがあって、私はいつでも美しいものに救われている。美しさは人それぞれの感覚なので、何を美しいと考えるのか、それは私の好みによるけど。美しいものを生み出す人を心から…

名作は陽性

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現代アートコレクターの高橋龍太郎先生は、以前にトークイベントで、名作は陽性のものだという内容のことを言っておられた。どんなに狂気を孕んだものでも、病的なものは、時代を超えて愛されることはない。

性格、性質のこと

自信って何やろう。図々しいとか、厚かましいという言葉と裏腹。日本人はそういう態度が好きではない。

藍色の着物

年配女性が、藍色の着物を来て歩いてはった。透けるような模様の入った白い帯、淡い水色の帯締め。とてもきれいな歩き姿やった。日本人の肌の色には、藍色が一番似合うと聞いたことがある。確かに、似合う。さらに、着物の直線と、年配の女性の体の線が似合…

26歳の能力

26歳の友人たちの様子を見ていて、驚くこと。それは大量の情報の中から自分の好みを選べること。「You Tubeでなんとなく見てて」お気に入りのアーティストを探せるなんて、はっきり言って素晴らしい能力やと思う。

詩について考える3

江國香織さんの文章が詩情にあふれていることに、今さらいちいち感動する。 『落下する夕方』の中の「清潔は孤独。」という一文。小説なので、清潔をさすのがベッドのシーツであり、彼がいなくなったことを主人公が寝床で実感する文脈を読み進めなければ意味…

買い物

買い物をしていて、店員さんと心が通じ合う気がする瞬間がある。そんなのたぶんこちらの勝手な思い込みやけど、商品についてひとこと深い会話をすると、客として大事にされている気がしてとても嬉しい。最近心に残った買い物は、鈴屋の甘納豆、芳翠園のお茶…

人はこわいもので

人は、自分ができていないこと、コンプレックスを持っていることを何度も口にする。それなのに、聞いている方は、その人はそれができているから言っていると思ってしまう。

シンプルイズビューティフル

つとめ先の店でひいきにしてる和菓子屋が2軒ある。1つは老舗。1つは流行最先端のデザイン会社がチャレンジでやっている店。どちらも小さなおまんじゅうを売っていて、それぞれ良さがあるけれど、私は最近老舗のまんじゅうが断然いいと思うようになった。…

プロフェッショナルへの敬意

あらゆる分野のプロフェッショナルに対して、適切なタイミングで的確な言葉で敬意を表せる人になりたい。それが少しでもずれていたら、プロは何よりもかなしいだろうと思う。それに、私への不信感と、もしかすると軽蔑をうける。最近ずっとそういうことを考…

刺激多い東京

自分の手帳を見て笑ってしまった。なんと刺激の多い毎日。そんなことはまったく望んでいないけれども、よくもまぁこれだけいろいろ楽しくてジャンルの違う予定を入れたもんやなぁ。っていう9月が終わった。今年は残り三ヶ月。

仕事って何か

私の好きな喫茶店と自転車屋さんに続けて行く用事があった。帰り道、仕事ってなんやろうとふと考える。喫茶店と自転車屋さんはどちらも東京の静かな場所でご夫婦でやっている店。真面目さが伝わってくるとても居心地の良い店。店では、何年も何年も二人でや…

アジアのパワー

アジアの屋台料理なんて、別にそんなにおいしいわけではない。味のことだけ言えば、日本で食べる、アジア屋台風の居酒屋メニューの方がよっぽどおいしいと思う。でも、味の問題じゃない。アジアの街中で、あのお行儀の悪い座り方で長々とおしゃべりしながら…

人を殺す

吉田修一の『悪人』の主人公のことがどうしても分からない。主人公を好きになる女性の気持ちは分かるけれども、人を殺してしまうこと、殺してしまった自分を受け入れていることって分からない。連想して市橋容疑者のことを考える。男女とも性的対象となる人…

詩について考える2

日本人にとって、海は詩にならない気がする。なぜなら海は、渡来人がやってくる、外から何かがくるところだから。具体的に来る「何か」じゃなくて、もっと朧げなものにしか詩情はない。もっといえば、八百万の神様を信仰する日本人にとって、海は信仰の対象…

詩について考える

ここ最近、ずっと詩について考えている。女性は詩を書けないんじゃないかと思う。なぜかというと食べてしまうから。って唐突やけれども、生の生々しさは詩情に結びつかない。否定的な意味ではなく、女性は詩なんて考える必要はなくて、生命を次世代に残す、…

ホラーと江國香織小説

物語の基本はホラーだと三島由紀夫が言ったらしい。江國香織の短編小説は正にホラーで、だから本当に基本なのやろうと思う。ホラーってお能の世界とすごく通じる。江國さんの「草之丞の話」は新作能になればいいのにな。

自然への敬意、工学のこと

東日本大震災以降、自分が工学系の大学出身だということを意識する機会が多い。地震で崩れた「日本の安全神話」はじめ、地震について知る時の知識がほとんど理系分野のものだと思われているからやと思う。世の中一般的には文系理系の二種類に分けられるので…

草間彌生さんとピュア

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ワタリウムの草間彌生展に行く。昔の映像を見ながら、ピュアってこういうことかと思う。草間さんはパーティの中心、パフォーマンスの中心にいて、カメラに映っていることを明らかに意識しているのに媚びた感じが一切ない。美は狂気と紙一重かもしれないけれ…

石田衣良『眠れる真珠』

石田衣良眠れぬ真珠 (新潮文庫)のラスト、主人公が真珠を買うシーンが強烈に心に残る。色形ともに的確に自分に似合う真珠を選び出す女性主人公。選ぶ真珠の色彩と諦観と、大人びたさばけた感じが格好いい。真珠は、女性版画家の主人公にとって大切な買い物や…

食事と仏事

先日、尊敬する料理人が食事する姿を見て感動した。食べる姿が美しい。長い腕を伸ばしてお箸で料理をつまんで、口に入れて咀嚼する。その一連の動作に無駄がなく、箸で切るのは一口分、口に入れれば表情穏やか、冷たいものは冷たいうちに、温かいものは温か…