果てしなく美しい日本 (講談社学術文庫) ドナルド・キーン著

日本人の差別感覚を見事に言い表していてびっくりした。日本の国のなりたち、都市と地方、階級意識、いろんなものを的確に書き表し、文章は島国根性に集約されていく。

端的に言い表した文章を読んで、人間ってかなしいものやなと思った。社会は差別を含めて成り立っていて、私たちは社会の中で生きている。今は時代の流れとして個人情報保護法があり、出身地による差別は法律的になくなったという。でも、かなしいけれど、人間そんな簡単なものちゃうやろうと思う。何かがなくなれば、何かが生まれる。しわ寄せが何に向かっているのか、私には分からない。でも、運命を子どもに背負わせている気がして、大人の作り上げたものを、数少ない子どもに向けている気がして、そんなおそろしく悲しいことはないと思ってしまった。直感的に思い至った数日。