感覚が開く

感覚が開いている/閉じているという。感覚が開いている方が良い、というのが一般的な見方らしい。

そんなこと言われてもねー、と思う。東京では、感覚を無防備に開きっぱなしでいたら生きていけない。田舎者の私が上京して、最初の数年間に一番努力したのは、感覚を閉じることやった。ちゃんとアンテナを開閉できる技術を身につけないと、たくさんの情報に押し流される。道を歩きながら、一切周りが目に入らず、でも空気として目の端に感じるように。そういうことを何年もかけてできるようになった。その感覚のまま奈良で暮らすと、どうしていいのか分からない感じ。