不当逮捕 (講談社文庫)(本田靖春 著)

戦後、読売社会部の名物記者が検事の汚職をスクープして“不当逮捕“された事件を巡るドキュメント。名物記者となるまでの華々しい活躍と逮捕に至るまでの経緯、事件を巡る世間での扱い、記者職のプライドなどから、立体的に時代が浮き彫りにされていく。


新聞黄金期の話は、いつもちょっと気になるなぁ。情報の多さとか人がメディアに求めてるもの、影響力のある媒体は今とは全然違うので、歴史に対する興味みたいなもん。


本田氏の文章は端正。何か感情の部分がかき立てられるような麗々しい言葉づかいではないと思う。絶妙に正確で、これが多分新聞らしいということなんやろうな。


相当に時代背景を反映したできごとや思想を書いてるはずやのに、時代がかってない。その時代にしか通用しない常識を振りかざしてない。すごいな〜


立松氏の人間性には興味津々。凄まじい。友人のSが当時を生きてて記者職に就いてたら、間違いなくああいう感じになるやろうな。今はSのスペシャルな能力を生かせる場所に巡り合ってない。時代の追い風って確かにあるんやろうと思うと切ない。


K君とお茶しつつ、なぜかブルーハーツについて語り合う。1001のバイオリンは最高!