白菜のなぞ (平凡社ライブラリーOffシリーズ)(板倉聖宣 著)

白菜って日本ではいつの時代から食べてるの?というのが、著者の最初の素朴な疑問。その謎解きの本のはずが、日本の農業の歴史を語り、生物と種の話に広がっていく。衣食住の身近なものの中にサイエンスを見つけ出すってこういうことか!と納得。


白菜を育てるために、明治の人々が松島(当時の無人島)でアブラナ科の植物と完全に隔離して品種改良したという話にびっくり。農業って、かすかな手がかりを元に何年も何年も切実な努力を積み重ねて今に至ってるんやなぁ。しかも、その努力は遠い昔のことではなくて、たかが100年くらいのこと。歴史が急に身近になる。めっちゃ面白かった。