沖で待つ(絲山秋子 著)

絲山さんの本で未読なのは、あと1冊になってしまった。悲しい。本腰の入った投げやり感が今の気分に合って心地よい。


いつだかTちゃんが「アンニュイって若いじゃない?」と言っていた。感覚的な言い方やけど“アンニュイ”は、期限付きのやるせなさ。いつか抜け出られることが心のどこかで分かってる、というような甘えた感じはよく分かる。「私、生きてるのが辛いの」と体中で表現していれば、誰かが見ていて慰めてくれるなんて思ってしまえるのは若い。


絲山さんの小説からは、それをとっくに通り越した大人の投げやりを感じるので、だから面白いし、だから辛い。自分は自分、受け入れるしかないんすよね〜これからまだ人生長いので、日常には力抜かなきゃやってらんないっすよね〜という感じ。