昭和、豊かな庶民文化

世代のことを考える。テレビで見た昭和の歌謡番組は、本当に食い入るように見てしまった。見ていて初めて、自分の世代に生まれたことを良かったと思った。バブルの時に小学生、阪神大震災オウム事件の時に高校生。思春期の間、社会の価値観の変化を見続けて、そのまま社会人の最初の10年を乗り越えてきた。時代が明るい未来に向かって進んでいたわけではないから、鈴木謙介氏の言葉を借りれば「自分たちだけが割を食った」感を強く持ってた。今でも心のどこかにそんな気持ちがある。

でも、小さい時は昭和の豊かな庶民文化に囲まれて育ったんやな。高度経済成長期以降に急発展した家電、広告やデザイン、和製の音楽や小説、映画、すべて昭和後期に成熟している。西洋化、近代化を目指して明治の頃に取り入れられたものが、80年弱かけて和製に昇華された。

それは消費と結びついていたかもしれないけど、庶民がみんな豊かに文化を取り入れられるようになったことに変わりないと思う。

夜、大阪でIさんとF兄と。なんやここ!という飲み屋は、そういえば昭和のイメージ。おいしかった。